AIでイラスト作成ができるツール6選
概要・特徴を紹介

近年、AI技術の進化が著しく、それがクリエイティブ業界にも大きな影響を与えています。

特にイラスト制作においても、AIの力を借りて、より高品質で効率的な作品を生み出す方法が増えてきました。

この記事では、AIを活用したイラスト作成のメリットや具体的な事例、お役立ちサービスなど、その最前線を紹介します。

AI×イラスト活用とは?

AIは、人工知能(Artificial Intelligence)ともよばれており、機械が人間のように思考や学習を行い、知的なタスクを自動的に遂行するための技術やその研究領域を指します。

AIは、大量のデータを処理・分析し、その情報を基に独自の判断や予測を行う能力を持つことが特徴です。特に近年のAIは学習能力を持ち、多岐にわたる分野での応用が見られます。

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その中で、AI技術を用いてイラスト制作やイラスト関連のタスクを効率化する動きが見られるようになってきています。

例えば、AIを使用して既存のイラストや写真のスタイルを変換できます。有名な画家のスタイルで描かれた絵画のようにイラストを変えることも可能になります。

また、イラストを自動生成することが可能です。テキストの説明からイラストを生成し、大量のコンテンツを迅速に製作できます。

さらには、既存のイラストをAIを利用してカスタマイズしたり、修正したりすることも可能です。色彩調整や要素の追加・削除なども含まれます。

AI×イラスト活用は、デザイナーやクリエイターにとって創造的なプロセスを強化し、新たなアートスタイルやプロジェクトの可能性を開拓する手段として利用されています。

イラスト作成におけるAI活用のメリット

AIを活用することで、制作時間の短縮や高度な技法の自動適用、スタイルの再現など多くのメリットが生まれます。

以下に、AIを活用することで得られるメリットと、イラスト作成における具体的な応用例を挙げていきます。

制作時間の短縮

これまでのイラスト作成のプロセスにおいては、多くの時間を費やすことが一般的ですが、AIを用いることで、特定のスタイルやテクニックを自動で適用することが可能となります。これにより、制作時間を大幅に短縮することができます。

高度な技法の自動適用

AIは、大量のデータから学習することができるため、多くのアートスタイルや技法を短期間で身につけることができます。例えば、ある有名な画家のスタイルを模倣してイラストを生成するといったことも可能です。

定型的なタスクの自動化

背景の描画や特定のオブジェクトの配置など、繰り返し行う定型的なタスクをAIに任せることで、イラストレーターはより創造的な部分に集中することができます。

一貫性の確保

AIは、一度学習したスタイルやルールを厳密に守ることができます。これにより、シリーズ物のイラストやブランドのビジュアルアイデンティティを一貫して保つのに役立ちます。

新しいスタイルの提案

AIは既存のデータから新しいスタイルやデザインを生成する能力を持っています。これにより、新しいアイディアやインスピレーションを得ることができます。

最終的な判断は人間の役割である

イラスト作成は、技術的なスキルとクリエイティブな発想の両方が求められる領域です。AIの活用は、この両方の面でイラストレーターをサポートし、高品質な作品の制作を促進します。

しかし、最終的なクリエイティブな判断は人間の役割として残るでしょう。AIはあくまでツールであり、その最大の力を引き出すのは人間のセンスと経験です。

最新のAIイラスト作成ツール6選

AIイラスト作成ツールは、リクエスト(プロンプト)に対し、イラストや絵画、写真などの画像を、描き出すことができます。数十秒で、まるでプロの画家やイラストレーターが描いたかのようなクオリティを生み出せます。

テキストの説明や入力画像からイラストを自動生成できたり、既存のイラストや写真のスタイルを変更したり、AIを使用して、既存のイラストを編集、修正、カスタマイズすることも可能です。

現在、市場には様々なAIを活用したイラスト制作ツールが出ています。その中でも特に注目されているツールとその特徴について詳しくご紹介します。

Stable Diffusion(ステイブル ディフュージョン)

Stable Diffusionは、入力されたテキスト(プロンプト)から高クオリティなイラストを生成します。人物、動物、風景、より自然で本物らしい、さまざまな画像を生成できます。

Stable Diffusionは、画像を生成するとき、最初に完璧な画像を作ろうとはしません。代わりに、最初は少しノイズ(画像の小さな乱れや不完全さ)を加えた画像を作ります。そして、それを少しずつ改善していきます。

ノイズの量を徐々に増やすことで、どのように画像を改善すべきかを学んでいく。このプロセスを通じて、より自然で本物の写真に近い画像を生成する方法を習得します。つまり、最初から完璧な画像を目指さず、少しずつ良くしていくことで、よりリアルな画像を生成できるようになるのです。

サービスURLhttps://ja.stability.ai/stable-diffusion

Midjourney(ミッドジャーニー)

Midjourneyは、AIを使ってリアルな画像を作り出すサービスです。ユーザーがキーワードや文章を入力するだけで、その内容に合わせた画像をAIが作成します。

また、カスタマイズの自由度も高く、画像のスタイルやテーマをユーザーの好みに合わせて変えられ、インターフェースもシンプルなため、誰でも簡単に利用することができます。

Midjourneyは「Discord」というチャットサービス上で動作するツールです。そのため、Midjourneyを始めるには、Discordのアカウント登録が必要となります。

作成した画像は広告やウェブデザイン、アートなどで活用されています。

サービスURLhttps://www.midjourney.com/home/

DALL-E 2

DALL・E 2 は、会話型AI「ChatGPT」を開発したOpenAIの画像生成AIシステムです。

テキストの説明からオリジナルでリアルな画像やアートを作成できます。コンセプト、属性、スタイルを組み合わせることができます。

DALL-E 2は、単純なものから複雑なシナリオの記述まで、多岐にわたる画像を生成することが可能です。例えば「二頭のアヒルの形をしたトースター」といった特異なリクエストにも対応できます。

サービスURLhttps://openai.com/dall-e-2

StarryAI

StarryAIは、ユーザーがテキストプロンプトを入力すると、そのプロンプトをAIがアート作品に変換します。

Starryaiを使えば、誰でもすぐに自分のアイディアをビジュアルアートに変えることができます。専門的な技術や知識なしでアートを作れるのが特徴です。

さらに、様々なアートスタイルやテーマに対応しているので、自分好みのオリジナルアートを手軽に作ることができます。

サービスURLhttps://starryai.com/

LINE AIイラストくん

「AIイラストくん」は、LINEにワードを打ち込むとイラストを生成して返してくれるサービスです。使い方はLINEで友だち登録するだけ。

「イラストモード」「人物モード」「風景モード」の3ジャンルに特化した学習モデルが用意されており、「好きな小説の一節」「夢に出てきた風景」「身長差カップル」など、あらゆるテーマをイラスト化してくれます。

サービスURLhttps://picon-inc.com/ai-illust

DeepAI

DeepAIは、テキスト入力のみを使用して選択したスタイルで1枚の画像を生成するAI画像生成ツールです。ユーザーはプロンプトを入力し、アートスタイルを選択するだけで、DeepAIがアイデアを具現化します。

スタイルには、抽象画や印象派、ルネサンス、3Dキャラクター、ポップアート、ピクセルアートだけでなく、シュールな肖像や水彩の建築、ストリートアート、アニメ、現代建築、サイバーパンク、18世紀のドローイングなども含まれています。

サービスURLhttps://deepai.org/machine-learning-model/text2img



これらのツールは、AI技術を活用してイラスト作成のプロセスを劇的に変化させるものばかりです。

ただし、最終的なクリエイティブな判断や独自の感性はユーザー自身が持っていることが重要で、AIはそのサポートとして最大の効果を発揮します。

これらのツールを活用し、新しいクリエイティブな表現を追求してみてください。

実際のAI活用イラスト事例

AI技術は、イラスト制作においてもさまざまな可能性を開拓しています。AIを活用したイラスト作成の成功事例や、どのようなシーンで活用されているのかを紹介します。

アルバムカバーのデザイン

インディーバンドは、アルバムのテーマや歌詞を元に、AIにカバーアートを制作させました。結果として、幻想的で独特なデザインが生まれ、ファンからの反響も大きかったとのこと。

ファッションイラストの自動生成

ファッションブランドが新作のアイテムをプロモーションする際、AIを活用してスケッチからカラフルなイラストを自動生成。これにより、迅速かつ効率的なプロモーションが実現されました。

絵本のイラスト

ある絵本作家は、自らのスケッチを基にAIに色彩を付ける作業を依頼。AIが生成した色彩が意外性を持ち、新しい視点からの物語の解釈を生み出しました。

ポスターデザインのコンペティション

大手広告会社が主催するデザインコンペティションで、AIを活用したポスターデザインが多数出品されました。

その中にはプロのデザイナーをも凌駕するクリエイティブな作品も存在し、AIのポテンシャルが注目されました。

アートギャラリーの展示

一部の現代アートギャラリーでは、AIが制作したアート作品が展示されることが増えてきました。AIが持つ独自の感性やアプローチが、人々の新しい美的感受性を刺激しています。


これらの事例は、AIがイラストやデザインの分野でどのような役割を果たしているかを示しています。

AIとクリエイティブなセンスを組み合わせることで、従来の手法では考えられなかった新しいアート作品やデザインが生まれています。

AIを活用する際の注意点

AIは便利ですが、その活用にあたってはいくつかの注意点や制限も存在します。効果的にAIを活用するためのポイントをまとめてみました。

著作権の問題

AIツールが既存のイラストや画像を学習データとして使用した場合、生成されたイラストもその元の著作物の影響を受ける可能性があります。結果として、著作権侵害になるリスクがあるので注意が必要です。

AIで生成したイラストの著作権も明確に理解しておくことが重要です。一部のツールやサービスは、生成されたコンテンツの著作権をユーザーに譲渡しない場合もあります。

オリジナリティ

AIは多くの場合、学習データに基づいてイラストを生成します。そのため、真にオリジナルな作品を期待する場合は、AIの生成するイラストをスタート地点やインスピレーションとして使用し、人の手で独自性を加えることを考慮してください。

品質のばらつき

AIによるイラスト生成ツールはまだ完璧ではありません。時折、意図しない結果や奇妙な出力をすることがあります。生成結果の品質を確認し、必要に応じて手作業で修正することが求められることがあります。

倫理的な懸念

AIを使用してイラストを作成する際には、偽造や誤解を生むようなコンテンツを制作しないように注意することが大切です。

技術の理解

使用しているAIツールの仕組みや制約を理解しておくと、より良い結果を得ることができます。例えば、特定のスタイルやテーマのイラストを生成するのに適したツールを選択することで、希望するアウトプットに近づけることができます。

データのプライバシー

オンラインのAIツールを使用する際には、アップロードするデータのプライバシーを確保することが重要です。

ツールのプライバシーポリシーや利用規約を確認し、どのようにデータが使用されるかを理解してから使用するようにしましょう。


AIを活用したイラストの作成は多くの利点がありますが、これらの注意点を考慮することで、より安全で効果的に活用することができます。

イラスト制作にAIを活用していくことが、クリエイターの必須スキルに?

AI技術の進化は、イラスト制作の現場にも大きな変革をもたらしています。時間や労力を大幅に削減し、質の高い作品を効率的に生み出すことが可能となりました。

しかし、全てをAIに頼るのではなく、そのツールとしての側面を理解し、適切に活用することが、これからのクリエイターに求められるスキルと言えるでしょう。

記事を書いた人
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AIラボラトリー、略してエーラボ編集部です。AIの基本的な知識から、AIを活用したツールの紹介、実際の活用方法、事例など、みなさまのお役に立てるような、AIに関する情報を幅広くご紹介していきます。

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